毎日、布団に入り眠りにつく。いたって当たり前のことだ。そう、今日もクタクタの身体を癒す為に布団に入り深い眠りにつくのだろう。そして、明日の事を考え憂鬱になるのだ。明日も仕事だと思って。楽しい時間などはすぐに過ぎ去ってしまうものだ。実際に休みに入れば、ゆっくり眠り朝目覚めるといつもよりも遅い時間に目が覚める。そして、ハッキリと思考が働きだす頃に母親から朝ごはんができたから下りて来いという合図がある。そして、私は億劫ながらゆるゆると身体を起こしリビングに行くのだ。そこには見慣れた食事。白米に味噌汁、卵焼きに漬物にお茶。ありふれた食事だ。それを、「いただきます。」と言って食べていく。いつもの日常。それを良く咀嚼し、平らげていく。そして、食べ終わると「ごちそう様。」と言って、食器を流し台に運び、流し台に他の食器が置かれていたら、もちろんついでなので洗うが、特にない場合はさっさと自分の食器を洗い、すぐに部屋に戻ってしまう。そんな毎日。しかし、母親と話をしない訳ではない。喧嘩もよくするが、誰よりも私の理解者だと私は思っている。そして、本心を打ち明けられるのも。私は部屋にごろりとなり、好きな本を手に取って本を読みだすのだ。だが、長い時間ではない。午後を過ぎると私は外の空気を吸いに出かけたくなる。それが、何かを買うものでなくても、私の息抜きだ。あらゆる場所を自転車で駆け抜け、風にあたり心地よいと思いながら近くに流れている川を見ると沢山の亀と鯉が泳いでいるのが見える。しばらくその情景を見てなんだかしんみりしながら、ウインドウショッピングし、帰宅するのだ。そんな散歩をしていたらいつの間にか6時ぐらいにはなっている。時間なんてあっという間だ。そう思いながら玄関を上がると母親がいており、「おかえり。」と言ってくれる。その言葉に、「ただいま。」と返すが、いつもと変わりのない事。ただ、その日少し違っていたのが、母親から差し出されたもの。綺麗に包装されたそれを手渡されて何かと思ったが、包装をほどき中身を確かめると、可愛らしいピアスが2種類入っていた。ビックリして母親を見ると、「いつも頑張って働いてくれているから。」と笑顔で手渡された。今までそんな事を言って手渡されたことなど一度もなかった。
それでも、その心遣いが嬉しかった。何故だか、嬉しいような切ないような不思議な感情があり、そこにはいつものありきたりな日常に凪を運ぶような風が心に沁みこんでいくようだった。毎日、変わらない日常。それでもかまわないと私はこの時そう思った。こういうサプライズがあるのなら。